万国博覧会が我々にもたらすもの、伝えるもの(その2)
2025年日本国際博覧会。
大阪・関西万国博覧会は「いのち輝く未来社会のデザイン」とされている。
(その1)で述べたように、この2025年日本国際博覧会は、
SDGs:持続可能な開発目標2030年アジェンダを見据えたものである。しかるに大阪や関西、また日本だけが盛り上がっても何の価値もない。
SDGsには17の目標と169のターゲットがあるが、世界の150を超える国連加盟国がその目標を鑑み、其々の国が世界平和に向けたものに合わせた個別目標を明確に掲げ2030年に向けて共有していくものである。
例えば、2019年8月28日~30日・第7回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜市で開催されます。これは1993年以降日本が主導し、アフリカ各国の経済成長の加速化、貧困の撲滅と世界経済への統合、平和の定着、持続可能な開発のための環境とエネルギーに関する国際協力などが話し合われ、一連の会議は東京で第1~3回、横浜で第4・5回、第6回はアフリカ(ケニア,ナイロビ)で国連、国連開発計画(UNDP),アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共同で開催・行動されています。
ここで是非紹介したいレポートがあります。
論考:TICADの変遷と世界——アフリカ開発における日本の役割を再考する——
著者:高橋基樹 出版者:日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所
TICAD VIをめぐっては、ビジネスや中国との競争など国益に関心が集まったが、本旨のアフリカ開発についてはどのような議論が重ねられ、今後どう対応していくべきだろうか。日本の対アフリカ支援とTICADの議論は、両者の状況や世界の情勢に応じて変化してきた。1993年の第1回から10年後の第3回までの前半期には、アフリカ経済の低迷を受けて、アジアの経験の強調、貧困削減の重視などが掲げられた。また、日本の援助理念の到達点である人間の安全保障の観点からアフリカが抱える深刻な課題が取り上げられ、それを果たせない国家のあり方が問題にされた。他方、2008年の第4回以降はアフリカの高度成長とそれにより強まったアフリカ諸国の立場を反映し、これらの問題への注目度は低下し、経済成長や民間投資の促進が関心の的となった。しかし、依然として人間の安全保障とそのための国家の改革は開発の基盤である。中国との競争に走るよりも、戦略的棲み分けを模索すべきであり、工業化など、長期の視点から、アフリカの開発に資する支援に注力すべきである。
このテーマでは、様々で多くの課題を色々なチームや国が長年議論を重ね行動してきました。私もアフリカ開発会議に関するブログやレポートを読ませて頂いて、日本が果たす役割は非常に重要かつ慎重に持続可能な開発のための支援をすべきと思いました。
博覧会では、AIであったり、IoTであったり、先進国の未来ばかりを描くのではなく、アフリカのような開発途上国を置き去りにするような真似はしてほしくないですね。開発途上国が夢を語れ2030年に向けて進む伴走をしてください。